製造業で加速するIoTの活用やスマート工場への取り組み。それに伴い、課題になるのがセキュリティ対策やデータ処理の問題だ。単にトラフィックの監視機器を追加するだけではインフラが複雑化し、コストもかさんでしまう。どう解決すべきか?
製造業のデジタルトランスフォーメーション(DX)に取り組む動きが加速し始めている。多数のIoTデバイスやセンサーを導入し、Wi-Fiやローカル5Gなどと組み合わせてデータをエッジからクラウドへ集約し、AIなどで解析を加えることによって、工場のスマート化や自動化を実現していこうという流れはとどまることがない。こうした製造業DXへの取り組みに対応すべく、工場内ネットワークの再構築を実施する企業も増えてきた。
しかし、こうした背景にともなって、新たな製造業の悩みの種となっているのが、セキュリティ対策とデータ・トラフィック処理の問題だ。
スマート工場の実現に向けては、制御システム(OT)とクラウドなどのIT側のシステムの連携が欠かせない。しかし、従来クローズドな環境に置かれてきたOTシステムが、ITとの融合によって“つながる”ことになれば、セキュリティリスクは格段に上昇する。クラウドとオンプレミスを併用する、ハイブリッド環境の導入もそのリスクの一因といえる。また、全てのデータ・トラフィックをクラウドに集約するというのはデータ量の問題から現実的ではないため、その取捨選択を行う仕組みの構築も同時に迫られているというのが現状だ。
これらの課題に対する対応としてまず考えられるのが、監視ポイントを増やすということだろう。しかし、工場内におけるデバイス量とデータの流通経路が複雑化するなか、あらゆる箇所に監視ポイントを追加するというのは、膨大なコストと手間が掛かる。また、スマート工場の取り組みでは、国内外の複数拠点の“母艦”となる「マザー工場」を構築するケースも多い。しかし、このマザー工場や本拠点のセキュリティポリシーを多拠点に横展開したいという場合においても、「とにかく監視ポイントを増やす」という対策は、コスト面で大きな足かせになってしまう。こうしたセキュリティ対策と監視ポイント数の悩みは、データ・トラフィック処理にも共通するものだ。
では、製造業はこうした課題に対して、どのように対処すべきなのか。以下では、改めてITとOTの融合によって高まっているセキュリティリスクの現状とともに、製造業がIoT活用やスマート工場に取り組む際のセキュリティ対策とデータ・トラフィック処理の課題を、低コストにまとめて解決する方法を解説する。
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