2DグラフィックスのGUIが当たり前だった組み込み機器のHMIにおいて、3Dグラフィックスなどを活用したリッチGUIの実装が求められている。このリッチGUIの開発で力を発揮するThe Qt Companyの「Qt」から、組み込み機器開発者が待望する長期サポート対応の最新版「Qt 6.2 LTS」がリリースされた。
組み込み機器向けのHMI(Human Machine Interface)開発ツールとして広く活用されているのがThe Qt Companyの「Qt」である。もともとはLinuxのデスクトップアプリケーション向けHMI開発ツールとして生まれたQtだが、近年はGUIを使う組み込み機器での採用が広がっている。例えば、産業機器や医療機器の制御パネル、自動車のメーターやインフォテインメント機器、POS/キオスク端末などだ。変わったところでは、表示画面を持たないヘッドレスデバイスを操作するスマートフォンやタブレット端末のアプリのGUI開発などでもQtの採用例がある。
2DグラフィックスのGUIが当たり前だったこれらの組み込み機器でも、より洗練された表現や、従来の2Dの枠を超えた3D表現を含むユーザー体験(UX)をアプリケーション要件として求めることも多くなっている。しかし、これらのリッチなUXを持つGUIを実装しようとすると、GUIのデザイナーがPhotoshopや3Dレンダラーなどで部品を作成した後で、別途アプリケーション開発者が手作業で機器に組み込むためのプログラミングを行うという、手間が掛かる上に行き違いによる手戻りも多い開発プロセスになってしまう。Qtは、デザイナー自身がアプリケーションのプロトタイプ構築までを容易に行える仕組みを用意しているので、結果として開発期間の短縮につなげられる。さらに、マルチプラットフォーム対応など昨今の組み込み機器開発の要件も満たしているのだ。
このQtの最新バージョンである「Qt 6」に、組み込み機器の開発者から長らく待ち望まれていた、長期サポートに対応するLTS(Long Term Support)版がリリースされたので、その特長をご紹介したい。
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