NAND型フラッシュメモリーとコントローラー、ファームウェアが一体になったストレージ「e.MMC」。NANDフラッシュを手軽に機器に組み込めるe.MMCとはどのようなストレージかを紹介しつつ、使いこなすためのポイントを解説する。
不揮発性メモリーとして、あらゆる電子機器に搭載されているNAND型フラッシュメモリー。安価で大容量を実現するNANDフラッシュではあるが、適切に制御、管理しなければ、NANDフラッシュが持つ本来の寿命、性能を発揮できず、『扱いが難しい』という課題を抱えてきた。
このNANDフラッシュの扱いの難しさを軽減するストレージのひとつが「e.MMC」であり、e.MMCによって組み込み機器領域でのNANDフラッシュの利用が促進されてきたと言える。
e.MMCは、NANDフラッシュを使う上で欠かせないコントローラーと制御用ファームウェアが一体になったストレージシステム。ユーザーはe.MMCを使えば、高度なNANDフラッシュの制御/管理ノウハウなしに、機器にNANDフラッシュを組み込むことが可能になる。しかも、安価なマルチレベルセル(多値)NANDフラッシュをシングルレベルセル(SLC)のように制御、管理し高信頼、長寿命を実現する「疑似SLC制御」など、高度な制御/管理機能も手軽に利用できる。
開発負荷が軽減され、疑似SLC制御など高度な制御も行えるe.MMCは他にもさまざまな利点を備える。本稿では、あらためてe.MMCとはどのようなストレージシステムで、どのような利点を持つのかを紹介するとともに、e.MMCを実際に使いこなす上で知っておきたい「6つのポイント」を解説していく。
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