高速道路の隊列走行、物流ドローン、自動運転、AIピッキングシステム、拡張可能な自動倉庫など、物流現場へのIT導入に対する期待が高まっている。だが押さえるべきポイントを読み違えると“惨事”を招く結果となりかねない。国内最大の物流ニュースサイト「LogisticsToday」の赤澤裕介編集長が、物流現場で陥りがちな具体例を示しつつ、IT活用で押さえるべきポイントを考察する。
物流センターの開設に合わせて自動倉庫を導入したはいいが、トラックの荷台前に落ちてくるはずの荷物が、どれほど待てども落ちてこず、各フロアのシューターやソーターが動かない。
カットオーバー初日から全てが障害物と化し、荷主と受託物流会社の間で見苦しいほどの責任のなすり合いが続き、ついには一度も稼働しないまま、荷主、受託物流会社ともに経営が傾く悲劇に――。実際に国内で数年前に起こった事例だ。
高速道路の隊列走行、物流ドローン、自動運転、AIピッキングシステム、拡張可能な自動倉庫など、物流現場へのIT導入に対する期待は、社会全体から見ればかつてないほど高まっている。
ニトリやアスクルのように、こうした風潮を敏感に感じ取る荷主企業のなかには、無人搬送機やモジュールタイプの自動倉庫システムといった先進的な物流機器を導入する機運が高まるが、夕食の惣菜をスーパーで買ってくるというように気軽に検討できる状況にはない。
「成果が保証されるレベルに達しない限り導入を検討できない」と考える物流会社は多く、最近は失敗事例を耳にする機会が増えてきた。当たり前のように利用が進むにはいくつかのハードルもあるが、しっかりとポイントを押さえることで導入効果を享受し、顧客の信頼を勝ち取って事業拡大につなげていくことは、十分に可能だ。
もちろん、冒頭事例のような“惨事”に発展しかねない落とし穴もある。「敵を知り己を知れば百戦殆(あや)うからず」とはよくいったもので、要は的確に先を読み、押さえるべきポイントを押さえられているかどうかに懸かっている。
物流現場で陥りがちなこんな事例もあった。
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