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“属人化”に悩む、多品種小ロットの製造現場が成功させた「技術承継」の極意縮小する市場で、生き残るために必要な改革とは何か

製造業の現場では、少子高齢化によって、経験豊かな作業者の技術資産をいかにアーカイブするかが、各社共通の難題となっている。住宅用のサッシを開発から製造ラインの最終工程まで一気通貫で手掛けるアルメタックスもそうした問題に直面していた一社だ。同社は、問題解決のため熟練者のノウハウをデータ化して、社内で情報共有を図るだけでなく、開発スピードを上げるべく業務改革の一大プロジェクトを実施した。技術承継に立ちはだかる壁をどのような方法で突破したのか、プロジェクトチームのメンバーに取材した。

» 2020年04月27日 10時00分 公開
[PR/TechFactory]
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 大阪に本社を構えるアルメタックスは、住宅向け建材を“一気通貫”で製造している中堅どころの住宅建材メーカー。主力製品はアルミサッシで、大手ハウスメーカーに、必要な製品を適切なタイミング、いわゆる“ジャストインタイム”で納められることを強みとしている。顧客からのオーダーに沿って意匠性や機能性に優れた製品をスピーディに提供することで、他社と差別化を図り、サイズや色、風合いなどの微妙な違いの注文にも対応する。このため、製品ラインアップは、コード登録ベースで100万アイテムを超える。

 公的な効力を持つ、サッシの性能検査が行える試験施設を自前で有するほど、高品質の製品製造にこだわりのある同社だが、メーカーからのオーダーに応える形での多品種小ロットの製品づくりは、現場の経験に依存したいわゆる“属人化”の傾向にあり、後進への技術承継には長年頭を悩ませていた。加えて、「ZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)」などの住宅トレンドを受け、国が定める基準が短いスパンで更新される昨今は、社内に分散する製造ノウハウを統合管理して効率化させ、競争力に変える手だてを確立することも急務だった。

 そこでアルメタックスは、モノづくりのバリューチェーン(営業・設計・製造・品証・サービス)の各工程で管理されているモノに関する技術データを統合するため、PLM(Product Lifecycle Management)ソリューションの導入を決めた。現在、熟練の職人が持っている知見をデータ化して、標準化することに取り組んでいる。その先には、将来的に縮小が予測される住宅市場に立ち向かうため、既に新規事業も検討段階にあるという。

 大阪・梅田のアルメタックス本社オフィスで、PLMのプロジェクトチームに、なぜPLMなのか、採用時にベテラン社員からの反発は無かったのか、運用後の効果や今後の構想なども交え、インタビューした。

シュリンクする住宅市場で、生き残る次の一手とは?

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