昨今の組み込み機器ではリッチなGUI/HMIへの要望がますます高まっている。「モダンなUI」「インテリジェンス化対応のHMI」といったニーズに対し、GUI/HMI開発を劇的に効率化するのが「Qt(キュート)」だ。優れたUI製品を最短期間で市場投入するための最適解――“いまQtを使うべき理由”を紹介しよう。
昨今の組み込み機器では、どんどんリッチなHMI(Human Machine Interface)が要求されている。その好例がスマートスピーカーだが、第1世代では純粋に音声による入出力だけで実現していたのが、第2世代以降ではGUIを搭載するものが増えてきている。また、埋め込みタイプのコントローラや多機能リモコンなどでも、液晶表示を搭載するものが増えてきた。その液晶も、以前は7セグメントの数字表示を核とした小型な表示内容固定タイプが主流だったが、最近は液晶の大型化/高精細化にあわせ、表示内容を可変できるものが増えつつある。
この他にも従来だと表示機能を一切持たなかった産業機器などでも、ヘッドレス(液晶そのものは搭載されない)ながらネットワーク経由でGUI表示や操作が可能なものが近年は増えつつある。つまり、これまでHMIが必要とされなかった機器でも、HMIを実装するニーズが出てきたことになる。
厄介なのは、こうしたニーズに対応する標準的な手法が見当たらないことだ。主要なプラットフォーム(Windows/Mac/Linux/Androidなど)はそれぞれGUIのツールキットやライブラリを提供し、それに対応したツールもあるものの、それぞれ使い方は全く異なり、互換性もないから個別対応にならざるを得ない。これは莫大な工数の増加を意味することになる。こうした状況で組み込み機器開発を劇的に効率化するのが、GUI/HMI構築のための開発環境「Qt(キュート)」である。Qtに関しては、2018年8月の記事や2019年8月の記事でお伝えしてきたが、今回は「Qtがいかに組み込み機器開発を効率化するのか」といった切り口でご紹介したい。
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