製造業のIoT活用や、スマートファクトリー化の壁となりがちな「工場内ネットワーク」の問題。フィアット・クライスラー・オートモービルズがこうした課題の解決に向けて導入した、運用コストや柔軟性、セキュリティも確保ができる新たなネットワークとは?
製造業のIoTの活用や、スマートファクトリー化を目指す動きが加速している昨今。従来は隔てられていたIT(Information Technology、情報技術)とOT(Operational Technology、制御技術)の領域、さらにはサプライチェーンまでもが連携する、“つながるモノづくり”の実現は、製造業が取り組むべきデジタルトランスフォーメーション(DX)の方向性として浸透しつつある。
こうした“つながるモノづくり”の実現によって、過去に蓄積されてきたデータの有効活用が可能となる。工場内の生産ラインであれば、品質管理や予知保全など、目的に合わせて、データを最適な方法で収集・分析し、得られた結果を活用して改善し、新たな価値創造へとつなげることが可能となる。
だが、こうした製造業のDXに向けた取り組みを進める上で、大きな障壁の一つとして注目されはじめているのが「工場内ネットワークの問題」だ。上述したように、さまざまなデータを収集・集積するには、“神経系”ともいえるネットワークの利用が欠かせない。しかし、従来型のネットワークでは、構成変更や調整、設定作業に膨大な時間とコストが掛かり、改善の足かせとなるケースも多い。また、ITとOT領域の融合という、従来は別々に管理されていたシステムの統合管理にも対応できるような、柔軟性や冗長性、そして高いセキュリティを持つ工場内ネットワークの構築に苦心する製造業も多いだろう。
こうした従来型の工場内ネットワークに限界を感じ、新たなネットワークシステムの構築に踏み切ったのが、欧州の大手自動車メーカーであるフィアット・クライスラー・オートモービルズ(FCA)だ。同社は2017年に工場のネットワークシステムを刷新。従来はシステムメンテナンス時に数週間に渡って工場を停止させ、作業する必要があったという大きな工場内ネットワークの運用コストを、大幅に削減することに成功した。
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