「インテリジェンス化に対応した適切なHMIを用意したい」「滑らかで近代的なGUIを開発したい」などニーズが多様化するHMI/GUI開発で、存在感を高めているのが「Qt」だ。シームレスに開発できる環境として、さまざまな産業分野から高い支持を得ている。工業オートメーションや医療・ヘルスケア向け用途の事例から、Qtの魅力を探ってみよう。
「Qt(キュート)」は、X Window System上で動くKDEというデスクトップ環境のベースとして1995年に開発された描画ライブラリに端を発し、その後デスクトップ向けから組み込み向けにターゲットを移している。現在、Qtの開発やサポートに携わっているのは、2015年に設立されたフィンランドのThe Qt Companyである。日本でも2016年からオフィスを構えており、特に2018年から2019年にかけては人員も倍増するなど近年は日本市場に特に力を入れている。
Qtの主な特徴については2018年8月の記事で述べており、その内容は現在もそのまま当てはまるのだが、引き続き多くの業界に利用され続けている。また、昨年の時点ではQt 5.11が最新版であったが、現在はQt 5.13が最新版としてリリースされている。
さてそのQtであるが、昨今ニーズが高いのが、工業オートメーション向けの用途だ(図1)。かつては工業オートメーションといえば「操作パネルだけで十分」といった時代もあったが、昨今はインテリジェンス化が進んだ結果として、適切なHMI(Human Machine Interface)を用意することが必要になってきた。しかもそのHMIのニーズがどんどん進化している。
例えば産業用ロボットだと、必ずしもタッチパネルなどを持たないヘッドレスな構成もあり得る。ではこうしたものにはHMIが不要か? というとそうではなく、ネットワーク経由でWebベースのUIが必要だったりする。そのため、HMIそのものが急速に多様化している状況にあるのだ。
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提供:The Qt Company
アイティメディア営業企画/制作:TechFactory 編集部/掲載内容有効期限:2019年10月25日