高機能化する組み込みシステムに大容量のメモリが求められるようになり、NORフラッシュメモリからNANDフラッシュメモリへの置き換えが始まっている。組み込みシステムでシリアルNANDフラッシュメモリが選ばれ始めた理由と実装時の注意点を、ウィンボンドの「W25N01GVZEIT」を例に解説する。
近年、組み込みシステムに実装されるソフトウェアが急激に大規模化しています。IoTを背景として、これに必要不可欠なネットワーク接続機能、高精細なGUI、さらには音声/画像認識をはじめとしたAIの導入などが主な理由です。従って、組み込みシステムのソフトウェアが格納される不揮発メモリには、さらなる大容量化が求められています。その結果、NORフラッシュメモリからNANDフラッシュメモリへ置き換える動きが始まっています。
組み込みシステムでNANDフラッシュメモリを使う場合、これまではパラレルインタフェースのONFI(Open NAND Flash Interface)に準拠したONFI NANDフラッシュメモリが一般的でした。しかし、最近ではMCU/SoCの内部にONFIインタフェースが搭載されていないものもあります。
この場合、eMMCが候補に挙がりますが、一般的に、ローエンド/ミドルエンドモデルのMCU/SoCはeMMCインタフェースが搭載されていない製品もあり接続できないことがあります。また、eMMCは複数のチップをパッケージ化して構成する都合上、ONFI NANDフラッシュメモリと比較して価格や消費電力が高くなります。従って、eMMCは組み込みシステム向けに最適化されているとはいえません。
そこで今、注目されているのがシリアルNANDフラッシュメモリです。写真1に示すのは、ウィンボンドのシリアルNANDフラッシュメモリ「W25N01GVZEIT」です。インタフェースはSPIに準拠しており、ピン数は8個と少なく、パッケージは8×6mmと小型です。
シリアルNANDフラッシュメモリは、eMMCと異なりコントローラーICが実装されていません。従って、シリアルNANDフラッシュメモリを使いこなすには、ECC(Error Checking & Correction)、Bad Blockといった処理をMCU/SoC側で行う必要があります。ここではシリアルNANDフラッシュメモリの使い方を解説します。
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アイティメディア営業企画/制作:TechFactory 編集部/掲載内容有効期限:2018年8月24日