中小製造業のIT活用は遅れており、大企業との格差が明確になってきている。中小企業白書の内容から、中小企業のIT活用の現状と大企業との差について浮き彫りにしていく。
日本の製造業では、高い国際競争力を実現してきた強みの1つが、技術力が高くさまざまな得意技術を持つ中小製造業の存在である。中小企業がGDPの多くを占め、さまざまな領域で力を発揮している国は、製造業では日本とドイツくらいしかない。このような産業の分厚さは一朝一夕にはまねできるものではなく、そういった強みがあるからこそ、いくつかの転換点があったにもかかわらず、国際的に高い地位を保ち続けてきた。しかし、インダストリー4.0やIoT(Internet of Things、モノのインターネット)の動きなど、ICT(情報通信技術)活用の動きが現場に広がろうとしている中、こうした強みが失われる可能性が生まれている。
政府が2016年7月に発表した「2016年版 中小企業白書」では、中小企業におけるIT活用の状況が示され、大企業に対して大きく後れを取っているという状況が明らかとなった。中小企業にこそ効果がありそうな、クラウドコンピューティングやスマートデバイスの活用についても、大企業に比べて半分もしくは半分以下にとどまっており、新たな技術を採用する積極性に欠けている状況だといえる。
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アイティメディア営業企画/制作:TechFactory 編集部/掲載内容有効期限:2017年3月31日