製造業の収益性を決める“スピード”と“現場で使うデータ解析”の価値：現場を強くするデータ活用

製造業のグローバル競争が加速する中で、製品のライフサイクルはますます短くなっている。この環境下で競争力のある“スピード”を手にするにはどうしたらよいのか。キーワードとなってくるのは、これまで使い捨てにされてきた生産データの可視化と解析だ。

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いかに初期から利益を生み出すか

　製造業を取り巻く環境の変化は加速の一途を遂げている。エンドユーザーの嗜好がめまぐるしく変わる中、それに求められる技術やその開発速度、生産増減への対応なども、従来にないほどの迅速さや柔軟さが求められるようになっている。もはや数年掛けて新たな技術を生み出し、それを組み込んだ最適な製品を作り上げ、それを一定期間作り続けて、数年でコストの回収を図る、というようなかつてのビジネスモデルは到底望めない。

　そのため、特に、必要になってくるのが「いかに設計・開発のスピードを速くし、短期間で量産にこぎつけるか」という点と「いかに製品化初期から利益を生み出すか」という点だ。顧客ニーズに応えるスペックの製品をいち早く投入して市場の主導権を握ると同時に、最初から高品質、高い歩留まりの製品を製造し、最大限の利益を確保するということが必要になる。つまり、最初から“フルスイング”のビジネスを実現することが求められているというわけだ。

　では、この「最初から“フルスイング”のビジネス」を実現するためには、どういうことに取り組む必要性があるのだろうか。