製造業における業務効率を考えたとき、改善の余地はほとんど残っていない。例えば、原材料の調達はシビアな折衝によって、限界近くまでコストダウンが進んでいる。また、製造現場では生産ラインの動線はもとより、作業者の手順や工具の配置まで細かくシミュレーションされ、無駄な動きが排除されている。ところが、今もってほとんど手付かずのまま残されている領域がある。それは、不具合発生を未然に防止するために技術者が情報収集にかける時間である。「SMART/InSight G2」を活用して情報共有を行うことにより、そういった時間を従来比で10%以上削減できるのだ。
製造業にとって品質問題の解決は、永遠ともいえるテーマである。裏を返せば、日本の製造業が高度成長期から数十年にわたって品質問題に取り組んできたにもかかわらず、不具合によるクレームやリコールの対応に追われ続けているのはなぜなのだろうか。
スマートインサイト ソリューションセールスグループのプロフェッショナルマネージャーである市川洋一氏は、このように問いかける。
「デザインレビューの参加メンバーは適切でしょうか。設計・開発部門の内輪だけで行っていませんか。また、資料は事前にきちんと配布していますか。過去のトラブル事例や、DRBFM(Design Review based on Failure Modes)のワークシートを作成するだけで終わっていないでしょうか。適切な参加メンバーで、事前の情報共有をしっかり行った上で、不具合の未然防止検討がしっかりできていれば、品質問題は激減するはずです」
もちろん、設計・開発部門にも言い分はある。グローバルな競争が激しさを増す中で、開発リードタイムの短縮が厳しく要求されている。デザインレビューをしっかり行いたくても、マンパワーや時間に全く余裕がないのが実情だ。
とはいえ、いつまでも見て見ぬふりのままではいかない。「限られた時間の中で、品質と不具合の問題を解決するための策は、まだまだ残っているのです」と市川氏は訴える。
それでは、市川氏の言う、不具合問題を解決するための策とはどのようなものなのか。ホンダなどの自動車メーカーや、電装部品メーカー、事務機メーカーなどの事例とともに紹介しよう。
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提供:スマートインサイト株式会社
アイティメディア営業企画/制作:TechFactory 編集部/掲載内容有効期限:2014年4月23日