感覚を可視化する状態監視システムがNSK藤沢工場の設備保守で何を変えたか:AI・DX活用予知保全の工場導入事例
工場が安定した生産を行うには日頃の保守が重要だ。しかし、定期的に行う予防保全は無駄になる部品が生じる上、突然の故障を防げない。そこで、設備の状態を監視して異変をつかむ予知保全が注目されている。日本精工の導入事例を紹介する。
製造現場において、設備保全の重要性が高まっている。背景にあるのは、設備の老朽化だ。日本の生産設備の多くは高度経済成長期から稼働しており、操業開始後50年を超える設備も多い。保全作業を担う人手不足も深刻化している。
一方で、多様化する市場ニーズに対応するためオンデマンド生産やカスタマイズ生産が広り、生産安定化へのニーズは強まるばかりだ。1つの工場が突発的な故障によって停止すれば、サプライチェーン全体が大きな痛手を被ってしまう。製造現場はダウンタイムの最小化がかつてなく求められている。
生産設備に対する保全には、主にTBM(時間基準保全)とCBM(状態基準保全)の2つの手法がある。前者が、設備の稼働時間や利用回数、生産量に応じて部品交換などを行うのに対して、CBMは稼働中の設備の状態を監視し、故障の予兆を検知して最適なタイミングで保全作業が行えるため、過剰な部品交換を防ぎ、作業者の負担も少ない。
ただ、CBMにも課題はある。それは、CBMで取得するデータに関するものだ。CBMで精度の高い保全を実現するには、データの取得から解析に至るまで多くのノウハウが必須となる。
そんな中、軸受国内大手の日本精工(NSK)では自社工場にCBMを導入して、着実に成果を挙げているという。実際に導入現場を訪れ、担当者が感じる効果や運用方法などを聞いた。
NSKの状態監視ソリューションで藤沢工場が取り組む予知保全とは
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