鹿島建設がパラメトリックデザインで実現した「床版モデル自動設計」:土木分野の設計自動化の最新事例
全国で増加する道路橋の老朽化に伴い、床版取替の需要は高まっているが、人材不足の中でどう設計業務を効率化するかが課題となっている。鹿島建設では3Dデータを活用したパラメトリック機能で、床版取替設計の自動化に挑んでいるという。
2019年時点で、開通から40年以上経過する高速道路の割合は3割を突破した。このままだと、2039年には8割を超えるともいわれている。補修して耐久性を上げるとともに長寿命化も見据え、近年では既存の鉄筋コンクリート床版から、新たなプレキャストPC床版に取り換える床版取替工事の需要が増加している。
しかし、建設業界の歯止めの効かない働き手不足も重なり、担い手は年々減る一方だ。対応していくためには施工現場での業務効率化だけでなく、その前段階の設計でいかに手戻りをなくし、品質を向上させていくかも床版取替工事の工程全体に関わる重要な課題となっている。
そうした課題に直面する中で鹿島建設 土木設計本部 構造設計部は、床版設計の膨大な図面作成を効率化すべく、BIM/CIMソフトウェアが数多くある中でダッソー・システムズの3DCADソフト「3DEXPERIENCE CATIA(キャティア)on cloud」の3Dモデル生成を効率化する「パラメトリック機能」と他プロジェクトにも応用できる機能「テンプレート」に着目。床版のさまざまな3Dモデリングを自動化するテンプレートづくりをサポートする大塚商会とも連携し、3Dモデルを活用した設計の自動化に向け、約3年をかけて試行錯誤を重ね、2024年度内には実橋適用への準備が整いつつあるという。
土木設計の自動化技術について、サポート体制を含めたこれまでの経緯とともに鹿島建設の担当者に聞いた。
鹿島建設が挑む、床版取替の設計自動化を探る
提供:ダッソー・システムズ株式会社
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