製造業にとって、環境規制だけでなく地政学リスクへの対応を含むESGへの取り組みは経営課題だ。多くの製造業では、ESG関連情報の収集に苦労をするケースが多いが、ESGデータを情報開示で終わらせない“攻め”の戦略について紹介する。
製造業へのESG(環境、社会、ガバナンス)対応への要求が高まっている。日本政府の「2050年カーボンニュートラル宣言」や、グローバル大手企業のサプライチェーン全体のカーボンニュートラル化に向けた目標の開示など、カーボンフットプリント(CFP)などのデータ取得が必要になってきた。さらに、SSBJ基準(国際基準と整合性のあるサステナビリティ情報開示基準)なども2027年3月期から順次適用が始まり、国内製造業でも必要なデータの収集や集計を迫られ、サプライチェーン経由で中堅製造業へと波及されている。
ところが、多くの製造業では、さまざまな拠点や製造現場などで、デジタル化やデータ整備が十分に進まず、システムがサイロ化し、求められた情報をすぐに出せないケースも少なくない。サステナビリティ部門は集計に苦慮し、現場にも新たな作業負担が生じている。これらの状態を解決し、さまざまなESG規制対応を企業としての競争力強化につなげていくためには何が必要になるのだろうか。ポイントは「新しいデータを集める必要はない」ということだ。
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