国内製造業の長年の課題「設計BOMと製造BOMの分断」はどうすれば解消できるのか設計・製造・調達をつなぐ真のデジタルスレッドとは

国内製造業では、設計BOMと製造BOMの間に横たわる“分断”が長年にわたり構造的な課題とされてきた。この“分断”は、製造業で本格化するDXのボトルネックにもなっている。では、“分断”を解消するにはどうすればいいのだろうか。

PR/TechFactory
» 2025年07月31日 10時00分 公開
PR

 設計、調達、生産、保守といった製品ライフサイクル全体をデータでつなぐには、BOM(部品表)が一貫して正確に管理されていることが不可欠である。BOMは単なる部品のリストではなく、設計変更の伝達や調達判断、製造工程の指示、品質管理までを網羅する「モノづくりの情報基盤」といっても過言ではない。

 ところが日本の製造業では、設計BOM(E-BOM)と製造BOM(M-BOM)の間に横たわる“分断”が、長年にわたり構造的な課題となってきた。E-BOMはCADを起点に設計部門で構築され、製品の機能的な構成を定義する。一方、M-BOMは製造現場の実行性を重視し、工程や調達の都合に応じて再構成される。両者は目的や、扱う情報の“細かさ(粒度)”が異なるため、部品の名称や構成階層が一致しないことも多い。その結果、現場では手作業による照合や調整が常態化しているのが実情だ。

 実際に、個別受注や多品種少量生産の現場では、頻発する仕様変更により設計と製造の間で情報が行き違い、納期遅延や品質不良といったリスクを招くケースも多い。このような「E-BOMとM-BOMの非連携」は、DX(デジタルトランスフォーメーション)推進のボトルネックの一つとなっているのだ。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.


提供:アラスジャパン合同会社
アイティメディア営業企画/制作:TechFactory 編集部