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» 2018年10月12日 09時00分 公開

組み込みエンジニアの現場力養成ドリル(9):野球「マジック」点灯のバグ(その2:解説編) (1/3)

前回に引き続き、プロ野球でおなじみの「マジック・ナンバー(通称:マジック)」をテーマにお届けします。今回は、「第三者が開発した『マジック計算アプリケーション』のテストケースを設計せよ」というお題に対する「形式テスト」と「正常テスト」について取り上げます。

[山浦恒央 東海大学 大学院 組込み技術研究科 非常勤講師(工学博士),TechFactory]

はじめに

 今回の講座では、プロ野球でおなじみの「マジック・ナンバー(通称:マジック)」をテーマにしています。

 前回は、マジックの定義や計算方法を具体的に紹介しました。マジックの計算は、高性能計算機を使い、複雑な式やロジックを駆使していると思いがちですが、実は掛け算と割り算だけの単純で原始的な方法で算出しています。中学3年生レベルの数学力と思考力があれば、マジックを計算できます。ただし、漏れなくきちんと考えることは容易ではありません。そのためには、システマチックなアプローチが必要です。PCが一般的でなかった昔は、電卓で面倒な計算をしていましたし、電卓が登場するはるか以前の1800年代のアメリカメジャーリーグ時代は、紙と鉛筆と頭だけで計算していました。

 今回は、「第三者が開発した『マジック計算アプリケーション』のテストケースを設計せよ」というお題に対する「形式テスト」と「正常テスト」を見ていきましょう。

テストケースの設計の基本

 前回も紹介しましたが、ソフトウェアにおける「テストケースの設計」は、高校の英文法の先生が作る期末試験の問題に似ています。英語の先生は、やみくもに問題を作っているのではなく、全ての設問に“意味”があります。おそらく英語の先生は、以下を想定して問題を作るはずです。

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