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» 2018年02月08日 09時00分 公開

組み込みエンジニアの現場力養成ドリル(1):若き組み込みエンジニア、B君の憂鬱 (1/3)

このコラムでは、組み込みエンジニアが日々の開発で実際に遭遇する「小さなトラブルを」取り上げ、演習形式で解説します。今回は機器制御系の組み込み開発に従事する若きエンジニア君の遅れを、プロマネの立場で助けてあげてください。

[山浦恒央 東海大学 大学院 組込み技術研究科 非常勤講師(工学博士),TechFactory]

はじめに

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 今回から「組み込みエンジニアの現場力養成演習ドリル」と題し、コラムを開始することになりました。このコラムにより、組み込み部門の開発エンジニア、プロジェクトマネジャー、品質保証エンジニアの開発作業が、少しでも楽になり、効率が上がれば幸いです。

 このコラムでは、組み込みエンジニアが日々の開発で実際に遭遇する小さなトラブルを取り上げ、演習形式で進めます。組み込み系ソフトウェアの要求仕様定義、設計方式、コーディング、デバッグ、テスト、保守、見積もり、そしてデスマーチをテーマにして行く予定です。

 ではいきなり、演習問題に入ります。今回の問題は、新人エンジニアがデバッグ工程で行き詰っている状況を取り上げました。プロジェクト・マネジャーの視点で現状を冷静に分析し、対策を考えて、新人君を助けてあげてください。

問題編(制限時間30分)

若き組み込みエンジニア、B君の悩み

 Aさんは、機器制御系の組み込みソフトウェアを新規開発しているプロジェクトのプロジェクトマネジャーです。開発期間は1年で、C言語を使ってソフトウェアを開発します(ソースコードの総ステップ数は、コメント行を除き103KLOG)。プロジェクトはAさんを含め10人の陣容です。

 プロジェクトは6週間前に予定通りデバッグ工程に入りました。3カ月のデバッグ工程では、単体デバッグに6週間、組み合わせバッグに3週間、統合デバッグに3週間を見込んでいます。本日が単体デバッグの終了日です。

 B君はこのプロジェクト唯一の新人エンジニアなので、担当する量は、新人であることを考慮して他のベテラン技術者の半分以下にしてあります(B君が開発したソースコードの総行数は4247LOGで、全部で11モジュールを作りました。詳細は、下記の表1を参照してください)。単体デバッグ終了予定日の本日、B君の進みは以下の通りで、3日遅れとなっています。

 この表からB君の現状を分析して問題点を推測、プロジェクトマネジャーのAさんが取るべき対策を考えてください。なお、ステップ数にはコメントを含まず、命令語は1行に1つ書くだけとします。

■表1.B君のデバッグ進捗

プログラム名称 ステップ数 テスト項目総数 実施済テスト項目数 検出バグ数 修正済みバグ数
モジュール_01 352 31 31 4 4
モジュール_02 299 35 35 0 0
モジュール_03 1227 481 481 3 3
モジュール_04 584 24 2 13 6
モジュール_05 207 85 85 0 0
モジュール_06 306 68 68 37 37
モジュール_07 471 11 11 0 0
モジュール_08 392 9 9 0 0
モジュール_09 227 35 5 0 0
モジュール_10 82 9 9 0 0
モジュール_11 102 10 10 0 0
合計 4247 798 746 57 50

解答編

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