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生産設備の全体最適化に目を向けなければ、現場の課題は解消されない――ヤマハ発動機IIoT時代にこそ、日本のモノづくりが世界で強みを発揮する(5)(1/3 ページ)

「IIoT(Industrial IoT)」を実現させ、新たなモノづくりを創造するためには、現状の生産設備の在り方を見直す必要がある。今回は、ヤマハ発動機のIM事業部でロボットビジネス部長として活躍している村松啓且氏と、筆者との対談を通じて、日本が目指すべきモノづくりへの取り組みについて紹介する。

» 2017年07月12日 09時00分 公開

 これまで、コントローラーやアクチュエーター、センサーを接続するフィールドバスが標準化されていないため、工場内の全ての機器が1つのメーカーに依存している日本の現状や、生産設備の制御をつかさどるPLCのプログラミング部分で「ラダー言語」に大きく依存し過ぎている実情について紹介してきた。また前回は、生産設備の「保守・管理」の効率を向上させるために求められる生産設備に対する考え方のパラダイムシフトについても解説した。いずれも、新たなモノづくりを創造する「IIoT(Industrial IoT)」の実現を目的に執筆してきた内容である。

 そこで今回は、日本のモノづくりの水準を“世界レベル”に引き上げようとする企業の取り組みの1つとして、ヤマハ発動機のIM事業部でロボットビジネスの部長を務める村松啓且氏に話を聞いた。

ヤマハ発動機 IM事業部でロボットビジネスの部長を務める村松啓且氏(左)と筆者 ヤマハ発動機 IM事業部でロボットビジネスの部長を務める村松啓且氏(左)と筆者

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ソフトウェアを軽視してきた日本の製造業が抱える課題

 これまでの連載で解説してきたように、国内ではフィールドバスの標準化の遅れや特定メーカーの機器に対する依存度の高さなどにより、“つながる工場”の実現が遅れていた。このような課題を解決するための仕組みとして、生産の自動化を短期間で効率的かつ低コストで実現する統合制御型ロボットシステム「Advanced Robotics Automation Platform」を開発したヤマハ発動機の狙いとは?

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