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» 2017年06月01日 09時00分 UPDATE

設計・製造現場を変革する3D CAD/3Dデータ活用(9):課題解決に役立つ「3D CAD」をどうやって評価・選定すべきか? (1/3)

設計品質の向上、さらなる生産効率化など、設計・製造現場では常に厳しい要求が突き付けられている。そうした中、3D CADをはじめとしたツールの導入やより効果的な使い方を追求した組織としての取り組みも行われている。本連載では3D CAD/3Dデータ活用にフォーカスし、プロジェクト管理者がどのような視点で現場改革を推進していくべきか、そのヒントを提示する。連載第9回では、3D CADの評価・選定ポイントについて取り上げる。

[土橋美博/飯沼ゲージ製作所,TechFactory]

 前回お届けした「ワークフロー図を作成し、設計だけでなく全社的な問題と課題を浮き彫りに」では、社内のワークフローを作成することで、部門ごとおよび部門間での仕事/データの流れを可視化しました。

 部門内/部門間で抱える問題から課題を見いだし、モデル構想を練っていきます。前回掲載した「設計部門での受注からDR(デザインレビュー)までのワークフロー図」の赤色の部分はその一例です。以下、他部門も含め、初期段階におけるモデル構想を示します。

メカ設計〜DR工程における構想モデル 図1 メカ設計〜DR工程における構想モデル
制御設計(ハードウェア)工程における構想モデル 図2 制御設計(ハードウェア)工程における構想モデル
組立製造工程における構想モデル 図3 組立製造工程における構想モデル
全体概念モデル 図4 全体概念モデル

 これらは、仕事の仕組みの変化やリスクに着目したものであり、ツール先行で考えたものではありません。間違ったやり方としては、「○○というツールは、××ができるから購入を検討したい」というアプローチです。大切なのは問題と課題を第一に考えることです。“問題/リスク”に対する“理想/ありたい姿”があり、そのギャップが“課題”です。そして、その課題が仕事のやり方を変えることで解決できるものなのかを考えます。機能的な側面でツールを選択するのではなく、今抱えている課題の解決に役立つかどうかを意識して検討する必要があります。

 先に掲載した構想モデルには、3D CAD/3D CADデータ活用以外の内容も含まれます。前回説明した、「FMEA(Failure Mode and Effect Analysis:故障モード影響度解析)」や「DRBFM(Design Review Based on Failure Mode:設計変更点に着目したFMEA)」といったリスク分析、新規性/変化点に着目した評価方法の他、メカ設計部門の詳細設計を受けて仕事を開始する制御設計部門やソフトウェア開発部門への情報共有フローの改善は、全てが3D活用のみによって解決されるものではありません。

 このような改善の必要性も、3D CAD推進活動によって、明らかになります。構想モデルを具体化すると、何も整備されていない状態から、どうやって仕事の仕組み、やり方、手法などを導入していくべきかが見えてきます。そして、その一環として設計者の知識レベルの向上が必要であれば、「教育活動」にも力を入れるべきです。以下が、教育体系における初期段階の構想モデルの例です。

教育体系構想モデル 図5 教育体系構想モデル
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